さて、山種美術館で東山魁夷さんを見た後に美術館通りを青山方面に歩いて行ったんだ。
この美術館通りには山種美術館、岡本太郎記念館、根津美術館、新国立美術館が隣接していて最後に東京ミッドタウンに抜けてサントリー美術館へ行けるんだ
根津美術館に惹かれたんだけど、その前をパスして青山橋
流石にこの辺は電動キックボードかポルシェしか走ってないんだ
東京ミッドタウンに到着。
サントリー美術館で先週から始まった英一蝶(はなぶさいっちょう)展
英一蝶さんは15年くらい前に板橋区立美術館で観た以来なんだ。
実際、それ以来の大規模展で過去最大級らしいんだ。
至るとことろにいろいろな人物が描かれているんだ。
龍田川に流れる落ち葉や川の中に入ってしまう人までいて、これらを単眼鏡でじっくり観ていたんだ
この絵だけで二日は観ていられそうなくらい見どころ満載なんだ。
この絵が前期のみの展示なのが残念。
これは遊郭の絵なんだけど、鹿を描くことで奈良ってことを表しているんだ
人物は飄々として面白いし、鹿は可愛いんだ
奈良木辻之図
(個人蔵の作品なので勝手に載せるのも気が引けたんだけど、
所有者の方の素敵なコレクションへの敬意と本展覧会への出品の賛辞の気持ちを
込めて勝手に転載させていただきました)
上の2作品は島流し前で、次の作品は帰還後の作品で今回唯一写真撮影可能だったんだ。
メトロポリタン美術館蔵の『舞楽図・唐獅子図屏風』
表には音曲を奏でる人々で裏には唐獅子が描かれているんだ。
個性豊かな人物をちょっとだけ抜き出して撮ってみたんだ
今回は同じ構図で描かれた『雨宿り図屏風』が2点(メトロポリタン美術館と東京国立博物館蔵)と『田園風俗図屏風』の中にも雨宿りの場面が描かれているものが出展されていたんだ。
美術館のキャプションにも書いてあったんだけど一蝶さんは島流しになる前からこのテーマに拘りを持っていたらしいんだ。いろいろな職業や境遇の人が一時の雨を避けるために寄り合って一つの場所にいるってところが世の中の縮図でまさに一蝶さんが描きたかったものじゃないかと思うんだ。
そしてどの顔も疲れた顔はあるものの悲惨さや暗さは感じられないんだ。
そこには諦観のようなものも感じられるんだ。
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メトロポリタン美術館蔵『雨宿り図屏風』の一部
上の絵と同じ屏風の別の場所
サントリー美術館蔵『田園風俗図屏風』の一部
今回の図録はクローズアップする場所の選び方やその挿入の仕方が雑でスケール感が全くチグハグで寄稿文も薄めの文書で量も少なく、全体として何かやっつけ感のある作りで残念だったんだ
まあ、展覧会そのものが良かったので、それでヨシなんだけどね