基本的にあまり高額な時計はお財布的に無理なので、
手頃なやつを気が向いたときに買う訳なんですが、

そうは言っても、
お値段はしてもどうしても欲しかった時計がございまして、
それこそ20年来欲しかったやつです。

機会に恵まれ、
ようやく買うことが出来ました。

それがこやつ、
イメージ 1

「イートン百貨店勤続25年記念時計」
という時計であります。

見てのとおり、
文字盤のインデックスが、

1~12の代わりに、

1/4 C E N T U R Y C L U B

とハイライトされております。

文字通り25年=1/4世紀を、
イートン百貨店で勤め上げた従業員に対し、
イートン社より贈られる時計で、
1960年代末くらいまでこの制度があったようです。

なお14金無垢で出来ており、
ぱっと見わかりませんが、
ROLEXです。
竜頭にだけ王冠マークがあります。


そもそも、
イートン百貨店と言っても、
何のことやらと思われるでしょうが、

ざっくり言うと、
カナダの実業家ティモシー・イートンによって、
19世紀中頃に創業されたカナダのトロントにかつて在った、
すんごい百貨店でしたが、
今は倒産し、
その跡地にショッピングモールがあり、
トロント・イートン・センターとして、
名前を残すのみです。

そしてまたかつて、
創業間もないROLEXが北米進出の代理店として選んだのが、
イートン百貨店であった訳です。

そんな経緯もあって、
イートン百貨店とROLEXの結びつきはちょっと特別なものなのです。


それこそROLEXの時計の文字盤には必ず、
「王冠マーク」と「ROLEX」の文字が入ってますが、
この時計にはありません。
「Eaton」とのみ書かれています。

いわゆる、
Wネームとかコラボとかとは違い、
一線を画しております。

そしてこの個体の裏蓋には、
イメージ 2

PRESENTED
TO
(従業員名)
TO MARK
A QUARTER CENTURY
OF CONTINUOUS SERVICE
WITH
THE T.EATON Co LIMITED
(通し番号)
1943-1968

と彫られてます。

1943年から1968年まで勤めあげた従業員さんがもらったんですな、
カコイイ!

イートン社から従業員に贈られたROLEXは、
時代によって何種類かあり、

これまたざっくり、
ケース(形)だけで分けて言うと、

「ポケットウオッチ(懐中時計)」
「プリンス・レクタンギュラー」
「オイスター」

があるのですが(その他女性モデルもあります)、

実用に耐える物が欲しかったので、
このうち、

「オイスター」

そんで、

「自動巻き」

となると必然、
60年代末に贈られたこのモデルになった訳です。

ちなみに、
Ref.5590のCal.1520で、
シリアル番号から1965年製造の個体のようです。
(わかる人だけフーンって納得してください)

オイラより全然年上ですが、
ピカピカ状態を保つためのヘビーなケース研磨は、
ほとんどされておらず、

全体的にエッジの立った、
半世紀前のものとしては、
非常に良い状態です。

風防に少々擦り傷があります。
その気になればプラ風防なので簡単に傷はとれますが、
磨きません。

ピカピカ過ぎるアンティークは趣味じゃないのでwww

現在、
機械もすこぶる調子良いのですが、
上記のとおり4桁キャリバー(1520)なので、
ROLEXではもうオーバーホール等受け付けてもらえないのが残念です。


今回は、
本体のみの入手だったので、
ベルトもこれに合わせた雰囲気で作ってもらいました。





何度見てもカコイイ。


これは大事にせねばな!









森山田