何をしていただろうか。記憶にない。酒は飲んだと思うし、煙草も吸っただろう。おそらくは1人で過ごしたのではないだろうか。そうだとしたらなんて寂しい男なのだろうか。仕事はしていた気がする。世界がその周期を数えるとき、僕は、仕事帰りの、1人の男の背中を、浮かれて行き交う世間の人々に見せつけていたのか。いや、衆目にそのような惨めな背中が映ることはなかったに違いない。
それでも僕はその時がきた時、呟いた。正確には、呟いたはずだ。1人の人間として、この世に生を受けた一員として、記憶はあいまいだが、もしかしたら声には出さず、心の中でぼそりと息とともに吐きだしただけかもしれないが。
「A HAPPY NEW YEAR...(あけましておめでとう…)」 と。
