それは2010年4月23日のこと
いつもなら会社へは自転車か徒歩で出勤するのですが
前日の雨の影響で社用車帰宅した次の朝ということで
車通勤をすることになっていた。
出かける前、妻が
「これ実家のお母さんに返しておいて。」
と紙袋にいっぱい入った漫画本
ガラスの仮面 全44巻
私は毎日のゴミ出しと一緒にカバン、紙袋を持って
マンションの玄関を出た。
紙袋が意外に薄かったことは持った感触でわかる。
しかし早く会社に行きたかったし少々焦っていた私。
社用車を停めたコインパーキングの目前、突然悲劇が起きた。
ビリリ
バッサーーーー
ギャオウ
要するに紙袋が突然破れ、漫画本が道路に散乱・・・
運悪く車通りも多く、一瞬空気が凍る。
私は自分の安全を顧みず道路に飛び出し漫画本をかき集めた。
停車を余儀なくされた運転手のおじさん
その場を通りかかったお姉さん
登校中の中学生数人
みんなが助けてくれたおかげでガラスの仮面全44巻はまもなく回収された。
ありがとうございました。
前が見れないぐらい漫画本を抱きかかえた私は
会釈ともとれない薄いお辞儀をしてその場を詫びた。
やさしい人たちはガラスの仮面全44巻を必至で抱える私を
笑っていたのかそれはわからない
でも・・・
言いようのない悔しさと恥ずかしさが残る。
ガラスの仮面全44巻
私はあなたのことをいつまでも忘れることはないだろう。