(前記事の続きです。)



ねるとんパーティと呼ばれるイベントは


会費制で食事付き・フリードリンク制。


いわゆる立食スタイルがほとんどであった。


会費は男8000円、女3000円。


この格差は需要と供給のバランスに依っている。




実際こういう例もある。


男側は全員医者・弁護士の玉の輿ねるとんパーティの場合


会費は逆転し、男は3000円、女が8000円という風になる。


そうやって男女のバランスをとっているのである。



さらに、この会費には奇妙なトリックがあった。


会費値引きシステムである。


一応男性会費は8000円と決まっているのだが


一部上場企業に勤務している人は特例で1000円引きである。


さらに年収500万以上の男は1000円引き


身長175cm以上だったら1000円引き


国家資格を持っていたら1000円引き


友人を紹介して連れてきたら1000円引き


等々細かい規定が・・・・





友人Nはたいてい5000円ぐらいで会場に入れた。


当時建築士の免許も持っていなかったワタシは


いつも8000円満額で・・・・




・・・・




そういうものなのだ。




・・・・




ねるとんパーティではまず最初に女の子が第一印象で



男をチェックすることが出来る。



いわゆる「第1印象あた~~っく!」である。



男は一列になり目を閉じて並ぶ。



女はちょっといいなと思う男の胸に自分の番号を書いたシールを貼る。



多分女の子に渡されていたシールは3枚。



我々の前を行ったり来たりして値踏みされる。



男って生き物はこういうときどうしても薄目を開けているもので



「どっしり行ったらんかい!」とオトコギで堅く目を閉じて腕を組んで



待っているそんな男前はおそらくいない。





・・・・

そういうものなのだ。

・・・・





のたぶたは薄目を開けていた。



隣の人の胸にシールを付けに来るのが見える。



ワタシには・・・・来ない。



カブトムシはクヌギやコナラには寄ってくるが



杉の木にはいつまで待っても来ない。




・・・・

そういうものなのだ。

・・・・




友人Nの胸にはシールが5つ。




ワタシにはゼロ。




スタートにしては悲しすぎる。




悲しすぎても容赦なく次のイベントは、やってくる。




「次なるイベントは自己紹介たーいむ!みなさん、



たくさんの人と思いっきり自己紹介をしてくださいね~♪」




来た。これが苦手なんだ。



今から考えると、自己紹介も苦手だったワタシのようなオトコが



そもそもこういうパーティに来ても結果は悲しい限りだけど



大人になるために通っていかなければならない途なのである。



いつまでも「チェリーボーイっす♪」って笑っていられないのである。



自分を大きく見せようと無理をしたこともあった。



ちょっと嘘をついてみたこともあった。





結局それがカップル誕生につながらなかったのだから



誰にも迷惑をかけていないのではあるが



(がちょちょーん)←効果音





回数を重ねて3,4回目にもなると



それが空しくなり、ありのままの自分を伝えるようになった。



自己紹介がうまくいくと、



「このあとのフリータイムでまた会おうね♪」



という締めくくりで颯爽と去れるのだが



どうもワタシの場合キレが悪い。



年をとってからのおトイレのようだ。。





・・・・

そういうものなのだ。

・・・・




しかし今回は違った。




ナントあろう事かこのチビで不細工で不潔で



陰湿でネガティブで傷つきやすく万年寝不足な



ファッションセンスのかけらもない靴のかかとを踏んでいるようで



鼻くそほじってはそれを食べてしまうようなワタシに




自己紹介で初めて出会ったとってもかわいいあの子から



「フリータイムでいっぱいしゃべりましょ♪」



と締めくくられたのであった。






キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!





なんと言うか、かなりタイプの女の子。



名前はJ子ということにしよう。



・・



あ。ジャイアンの妹じゃないよ。



そんなの悲しすぎる。



せっかく初めての告白なのに(違う)






Jん子ということにします。



ほとんど名前がばれています(笑)





そのJ子が(おい)あまりにもかわいかったので



残りの自己紹介タイムは1人でコーヒーを飲んで余裕しゃくしゃくで



過ごしました。みんなを見下ろしながら。



こんなの初めて。。。





世のオトコどもよ。まぁせいぜいがんばれ。



君たちにも未来はあるのだよ。



そういうものなのだよ。






・・・・





そして待ちに待ったフリータイムがやってくる。

































(つづく・・・・・・・・・・・・・・・・おいおい。誰だ?オレにカンなんか投げつけたヤツは)