僕の読書記録

僕の読書記録

「僕」が読んだ本の感想をここに綴っていこう。
誰が見るわけでもないけれど、
僕が読んだ本を、その記憶をここに残しておきたいんだ。

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100.スプートニクの恋人/講談社
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この作品は村上春樹の文体の総決算とも言われるべき作品。

村上春樹によると、「『ねじまき鳥クロニクル』でもう絞ってもなにも出ないという
カラカラのところで書いた作品」だったかな。

比喩をいつも以上に使おうということに意識を置いたらしい。

そのために作品全体がメタファーに満ちている。

あちら側の世界、分断される自我、そして喪失

彼のすべてが詰まった作品ではないか。


やはり気になるのはラストシーン。

すみれがあちらの世界から帰ってきて「ぼく」のところに電話をかけてくる。

でも自分がどこにいるのかわからない。

これは否応なく『ノルウェイの森』を思い出させる。

『ノルウェイの森』も『スプートニクの恋人』も「恋愛小説」と銘打っている。

村上春樹の恋愛観とは居場所がわからなくなるものなのか

それとも、これは喪失の結果なのか。


まぁ、長々と話すのはやめておこう。

次も村上春樹『神の子どもたちはみな踊る』



魔女の宅急便 [DVD]
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落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です。



ずっと観たいと思っていた魔女の宅急便。

久石譲の曲で好きな曲が二曲も使われているということでさらに観たくなった。

実際に観てみると、すっごく良かった。

なんだろう。この感じは。

心が温まる、この感じに近くなる映画でした。

主人公の魔女のキキの住む海の見える町は素晴らしいし、

そこで出会う人々も良い人たちです。

たしかに「落ち込んだりもするけれど、わたしはこの町が好きです」という

最後のキキの手紙の通りだと思う。

ジブリは「もののけ姫」とか「千と千尋の神隠し」みたいにメッセージ性が強いのも良いけれど

ジブリ初期のこんな映画もいいですね。


最後にこれがキキの住む町のモデルになった町です。

ゴドランド島ヴィスビーの町です。こんな町に住みたいです。すごくきれい。

本当に良い作品でした。




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この映画は「クレヨンしんちゃん」シリーズの中でももっとも好きな映画。

最後の最後までハラハラドキドキ、そして笑いも入れながら。

でもこれほどラストシーンが悲しい映画もない。

戦には勝ったのに、みんなが幸せになれる勝ち方だったのにという感じ。

これはここで言わない方がいい。

でも本当にすごく涙が出てしまった。


ラストシーンは名シーンだけど、この映画の名言がひとつ

何気ない最初あたりのシーンにある。

しんのすけが戦国時代にタイムスリップしてしまって

ひろし達が自分たちも追いかけようとするシーン。

そこでのひろしの一言がすごくいい。

「しんのすけのいない世界に、未練なんてあるか?」

この台詞が家族愛をテーマとする映画「クレヨンしんちゃん」を最も言い表していると思う。




映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 [DVD]/バンダイビジュアル
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映画は映画でも少し趣向を変えてアニメにしようと思う。

というのも、昔観たこの「クレヨンしんちゃん」の映画をまた観たくなっただけなんだけど。


この映画は「クレヨンしんちゃん」の映画の中でも二番目に好き。

前に観たのは中学生の時だけど、それからいろいろ勉強してまた観ると感慨深い。

昭和の、1960~70年代の、あの時代に大人たちが懐かしんでいるんだけど

それが本当に良い時代だなぁと思える。

もちろん治安も衛生面も今よりずっと悪くて、そういう側面もあるけどすごく良い時代が描かれる。

でもやっぱり「クレヨンしんちゃん」の映画は家族愛。

ひろしが洗脳されて昔を懐かしんで子供を捨てて

おとな帝国に連れて行かれるんだけど

そこで自分の今までの人生を思い出す。

そのシーンが本当に素晴らしい。

昔も良かったけど、今も悪くない。妻も子供もペットもいる。

それを実感して涙を流してしんのすけを抱きしめるシーンは秀逸だった。


ラストもかっこよかった。

少し涙腺がうるっときました。

良い映画です。



99.草枕 (岩波文庫)/岩波書店
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本当に久しぶりの更新になる。

他のことに熱中していて最近まであまり本を読んでいなかった。

まぁ、これもひとつの思い出だ。


更新が止まる前から意識して漱石や鴎外の作品を読もうとしている。

あまり面白いとは思えないけれど、これも勉強のため。

もっとわかるようになれば面白くもなるかもしれない。

少しずつ読破していこうと思う、


この『草枕』は少し難しかった印象を受けた。

絵描きがのらりくらりと旅をしているという話の中に

漱石の思想がかなり多く盛り込まれていて読んでいて疲れてしまった。

村上春樹のように誰かとの会話の中に作者の考えが述べられるとわかりやすいのだけれど

地の文にそれが書かれると少々しんどい。

今の段階でどうだとは評価できないけれど

漱石についてさらに考えるときに重要なものになる気がする。

覚えておこう。



次は村上春樹の『スプートニクの恋人』。

「ちょっと奇妙な、恋愛小説」だ。



94.魔利のひとりごと (ちくま文庫)/森茉莉
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この作品は大学の友達に紹介してもらった。

僕が小川洋子を好んで読むよ、と言ったらこの作者の作品は好きになると思う

って言われて読んでみたら本当に好きになってしまった。

作者の森茉莉は実は森鷗外の娘(長女かな)である。

今、鷗外の作品を読んでいるんだけれど、親子で文体も作風もまるで違う。

まぁ、性も時代も違うし当然と言えば当然だけど。


あと、この作品は小説ではなくてエッセイだった。

しかし、最初てっきり小説と思って読んでしまうほど

作品の醸し出すやわらかな温かい雰囲気にのまれていった。

本当に良い作家を紹介してもらったと思う。

また読んでみたい作家さんです。