今回は2021年にブレイクしそうなアーティストをレヴューしたいと思う。

 

その名もブラックカントリー・ニューロード(以下BCNR)。

私もつい最近知ったばかりなのだが、普通とは一線を画すその音楽的佇まいに度肝を抜かされたところだ。

本国イギリスではすでに話題となっておりライヴも軒並みソールドアウト状態だそうだ。

 

そんなBCNRだがどんな音楽かと言うと、これが一言では片づけられないちょっと複雑な感じなのだ。

ポスト・パンク的な音楽というのが一番適しているのかもしれないが、その内容は少し入り組んでいてロック/ジャズ/フォーク/ユダヤ音楽のクレズマーと様々。

 

そんな様々な音楽のジャンルを横断し、フリースタイルのようでいてまとまりを見せるのが彼らの音楽だ。

 

口で説明するより聴いてみるのが一番だと思う。

冒頭曲"Instrumental"からはさっそくこのアーティストが「異色」なのが感じられるであろう。

緊張感が絶頂に高まり今にも糸が切れんばかりのスリリングさを感じていただけるはずだ。

 

 

BCNRは7人組という大所帯で成り立っている。

サックス/バイオリン/管弦楽器を含んでいるので自ずとそうなるだろうが、まとまりの悪さは感じられない。

 

それどころか大所帯のメリットをこの上なく利用してインプットとアウトプットを繰り返し曲作りに励んでいる。

7つの脳があればそれだけインプットできる容量も多くできるというのが彼らの考え方だ。

 

曲作りも誰かが持ち寄った曲をみんなでオープンディスカッションのような形式を取りアイディアを広げていく。

確かにこれならアウトプットの数も半端がないはずだ。

 

 

そして、ボーカルのアイザック・ウッドの存在だ。

彼独特のスポークンワードのように呟く歌い方は今の時代の人々にあまりにも突き刺さる。

 

歌詞を含む彼の表現方法はBCNRの音楽性と相まって時代の最先端を通り越し一つ上の表現に上げているのだ。