■■■プラットフォーム戦略からの脱却!■■■
~これからのソーシャルメディアにおける新潮流とは~

LINE
驚異的な会員数の伸び、とはいうが、chat appsなのである。

ケータイの普及率がほぼもう100%なら@日本、ケータイメールの普及率はもう80,90%以上。それを会員と呼ぶなら驚異的な普及率なんである。

「各個人が持つ◯◯に、エモーショナルなメッセージを届けることで、新たなEC、マネタイゼーションを実現します!」

◯◯=メール ➡ えー、スパム?
◯◯=chat apps ➡ 凄い!え、でもスパム?

こう置き換えてみると、なんとも未来がない。

chat appsは電子メールを再発明したのである。
いや、電子メールを再発明しただけ、と言うこともできる。

プラットフォーム化によるマネタイゼーション。
それが成立する差別化要素は、あくまで、周囲にあまりIDと紐づいた巨大なDBがないからであり、それが溢れ返っている現在、もはやプラットフォームはマネタイゼーションの道具ではなくなった。道具ではあったとしても、決定打ではなくなった。

今日のLINEを聞くにつけ、確信できたのは、「プラットフォーム戦略時代の終焉」である。

もう人口に対する普及率が10%、20%、30%のID「プラットフォーム」がいくつもある以上、いまさら、プラットフォームなどを作る必要はない。
ましてや、人口普及率が20%のIDプラットフォームと言っても、それはもう「凄い」と形容する必要すらないものになってきているのではないか。

プラットフォームを持たなくとも、これまでプラットフォームを持たなければ実現できなかったタイプのビジネス(=プラットフォームさえ持てば、それの維持管理によって、固定的に収益を生み出せる仕組み)を回せる可能性が出て来たんではないか。

これからのトレンド。
「プラットフォーム戦略」に代わるもの。
名付けて、
「黒山の人だかり戦略」
いや、格好良く言おう

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「デンスクラウド戦略」
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その心は、これだけ、IDを持つプラットフォーム、国境のないOSが広がるスマホというプラットフォームがある現在、IDの数だけのプラットフォームはすぐ出来る。あっちにも、こっちにもすぐ出来上がる。
競合で溢れ返る。
ユーザーはどれを使うか迷う
使ったとしても直ぐに浮気をする。

それは言わば、「黒山の人だかり=dense crowd of people」

これからは、その人の急激な集まり、移動、心変わり、それらをうまくマネジメントして、常にデンスクラウドの中心に居続けられるプレーヤーが勝者となる。

これは何を意味するか。
現在保持した、プラットフォームに「固執」するプレーヤーは、明智光秀も真っ青の三日天下となる事業リスクを大きく秘めていることになる。

我が子たるプラットフォーム、IDの山など意に介さず、自分が、「デンスクラウド」の中心にいることが重要なのである。
いつでもプラットフォームを捨て去る勇気が必要である。
まさに、「イノベーションのジレンマ」である。

敢えて言おう。
プラットフォーム戦略は終焉を迎えた。
もはやプラットフォームは、1アプリと同程度の位置づけ。
何があたり、何が消えるのか。1年でそれは劇的に変わる。

いつでも鞍替え出来るようにプラットフォームを作り(作り替え)、つねに、「デンスクラウド」の中心に「移動=改変」しやすいように、サービスポートフォリオを構成するか、事業そのものを身軽な状態にしておくか、、、

「デンスクラウド戦略」

これからの企業の成長を左右する視点だろう。

2012.7.3
小林慎和