私がなぜ、88(ダブルインフィニティイニシアティブ)を立ち上げようと思い立ったのか。
それは社会の変革を作り出す人間に成りたいと思ったから。
そのための最善は何か。今必要な社会変革を定め、それに対して動いていくこと。

今、5つのミッションを掲げ、動き出しています。
今後、この5つの進捗状況をブログで発信していきたいと思います。

1.新興国(特にBOP)展開の強力な推進による日本の再興
2.グローバルで通用する日本の若者100万人
3.日本文化の啓蒙:おはぎカフェ
4.ITを活用した社会変革
5.社会変革のオピニオンリーダーであり続けること



1.新興国(特にBOP)展開の強力な推進による日本の再興

 BOPとは、Base Of Pyramidといい、1人あたり年間所得が3000ドル未満の貧困層の人々のことを指します。現在地球上には約40億人このBOPに属する人がいると推計されています。実はこのBOPの開拓が、日本の未来を変える可能性を秘めているのです。40億人の中で、既に10億人以上が携帯電話を持っています。世界中の人々がITを通して繋がり始めています。彼らは我々日本人が想像することができないほどの購買力を秘めています。もう10年もしない内に、世界の経済を牽引するのは彼らとなります。来年には、彼らもtwitterでつぶやくことでしょう。この市場でどのように勝つか。それが日本企業の将来を左右するのです。

 このBOPを理解するためには、現地現物を見なければ何も始まらない。私は動きました。
 まず、NPOガイア・イニシアティブに参画しました。このNPOは野中ともよ氏が代表を務めるもので、インドの無電化村へソーラーランタンを届けるプロジェクトを推進しています。今年に入り、私は既にインドに3回渡航しています。これは単なる寄付活動ではありません。現地のソーラーランタンは、レンタルビジネスとして運営されています。ソーラーランタンの充電ステーションの管理者は、村人の起業した姿です。現地において、持続可能なビジネスとして成立しているのです。現在、このソーラーランタンが稼働している村は20村です。これから1年間でさらに新たに20村増大するために今動いています。

 2つ目はアフリカに飛びました。この6月に南アフリカにおいてワールドカップが開催されたことは周知の通りかと思います。私はこの大会に向けて、1人から100円ずつ寄付を集めるプロジェクトを推進しました。結果として、約3万人の方々から寄付を頂き、実際に南アフリカに行ってきました。6月13日、日本の初戦がある前日に、現地にて寄付イベントを開催しました。そのイベントに集まってくれた子供達は約800人。その寄付イベントの司会を担当し、彼らに寄付金で購入したノート、ペン、サッカーボールやユニフォームを配布しました。彼らは貧困の中にいました。しかし、彼らは未来を見ていました。彼らにとって、「JAPAN」と接したのは初めてのことでした。こうした活動を通じて、「JAPAN」というブランドが浸透していくのです。

 3つ目は、このBOPの重要性を各企業や政府に訴えることで、BOPビジネスのフィージビリティ・スタディを3カ国(インド、インドネシア、ケニア、延べ7回)実施しました。今のところ私が変革を起こすことができた企業は7社に過ぎません。それをさらに拡大する必要があります。そのために、このフィージビリティ・スタディで得られた示唆を書籍にまとめました。この11月に日本経済新聞社より出版される予定です(「BOPビジネスは日本の未来を変える(仮題)」)。出版後、この1年の間に20社は変革したいと考えています。


2.グローバルで通用する日本の若者100万人

 1でBOPが重要だと述べました。日本に帰国してきたとき、次のニュースを耳にしました。それは、産業能率大学が2010年8月に発表した調査結果です。「今年度の新入社員の49%が海外で働きたいとは思わない」というものです。なにゆえ現在の若者は海外を目指さなくなっただろうか。何が彼ら・彼女らをこうも萎縮させているのだろうか。 
 企業に対して、こうしたBOP・新興国へと果敢に攻め込ますだけでは足りない。それをこれから将来継続的に支えてくれる若者を教育しなければならない。
 私はまた筆を取りました。
【(「倭僑」の製造が日本の未来を変える:グローバル展開で勝つ人材の活用・育成)】
 グローバルで通用し、グローバルのどのような国・市場でも果敢に攻め込んでいく若者の数を増やさなければならない。この記事を契機に、私的勉強会を立ち上げました。参加者は、JICAの海外青年協力隊、広告企業、旅行会社、大学・教育関連、BBT大学学生、外資企業、創職ジャーナリスト、各日系企業そして私がホスト役です。参加してくれた方々は、会社を代表するものではありません。私と同じ危機感を持たれ、個人として賛同し、この活動に加わってくれています。次回は2010年11月12日の予定です。ツイッターとUstreamも活用した討論会に仕上げる予定です。記事に紹介しているような若者を、私は100万人作り出したい。そう考えています。その実現に向けて動きます。

3.日本文化の啓蒙:おはぎカフェ

 3つ目は少し風変わりなプロジェクトです。おはぎです。私が最も愛する日本料理です。お寿司、天ぷら、豆腐、最近こうした日本食は世界中で市民権を得てきました。お寿司も昔のようなカリフォルニアロールではなく、普通のお寿司がニューヨークなどでは食べられ始めています。
 日本食は素晴らしい。東京にはミシュランの星がついたレストランが世界で一番多くあります。日本は、世界中の料理を受け入れ、それを進化させ、様々な食文化を日本で花開かせています。それに対して、日本食というものは、まだまだ過小評価されています。本当の日本食はほとんど海外に輸出されていません。その最たる例が、「おはぎ」だと思うのです。
 私は過小評価されているものを見ると、それをどうにかしたくなります。ましてや私が最も愛するおはぎが世界で過小評価されているとなると、ますます闘志が沸き上がります。パリとニューヨークと東京の3店舗同時立ち上げを計画しています。パリでは打倒マカロンです。
 外国の方は、どうもおはぎのあの粉っぽさが苦手なようです。ぜんざいに至っては、暖かい甘い豆のスープというコンセプトそのものがあり得ない組み合わせのようです。デザートで暖かいスープはあり得ない。豆(ビーンズ)が甘いことがあり得ない。あり得ないづくしです。だからこそ、私がやらねばならないのです。まだ資金的な目途は立っていません。現在は店舗デザインとメニューを創造している段階です。

4.ITを活用した社会変革

何がこうも日本を萎縮させてしまったのか。何故に失われた20年と呼ばれるようになってしまったのか。私はこの原因はただ一つ、ネガティブな思考が蔓延してしまっていることに尽きると考えています。もっとポジティブな思いを広げたい。お互いのことを、もっとポジティブに捉え、そして発言し、そして動いていく。たったこれだけのことを10%の日本人が始めるだけで、日本はあっという間に変わると考えています。
孫さんのおっしゃる通り、twitterがこの動きを加速させつつあります。しかし、まだまだ10%にはほど遠い。まだごく一部の人たちだけが、気づき始め、動き出したに過ぎません。
 私はこの可能性を強く感じ、次のような記事を書きました。
【(ツイッターと「ノマドな人」がもたらす変革:目の前の業務をこなすだけでは、世の中で生き抜く力にはならない)】
多くの方々から、この考えに賛同を頂き、リツイートを頂きました。如何に多くの人を巻き込めるか。それをITによって如何に加速するか。もはや、既存の企業という枠組みが、その展開を阻害する要素も持ち始めています。企業同士は、もっと緩やかに繋がり合い、プロジェクト単位で密に連携が取れるようにならなければならないと考えております。知的資産のある部分は解放し、NDAなどなくてもオープンに繋がり合い、協力し合うことが求められるようになると考えます。
アメリカでは、マイクロ・ボランティアというビジネスが起こり始めています。これは私がまさにITを活用して社会変革を起こす萌芽です。詳細については、次の記事にまとめております。

消費者の力を、思いっきり活用するクラウド時代が到来する:目利きを外国人に任せる「ジャパンクール」なECサイトが示すもの)】

5.社会変革のオピニオンリーダーであり続けること

今は変革の時代です。この先どのようになっていくのか。1分1秒先すらもわからない、そんな世の中なのかもしれません。
だからこそ、オピニオンを主張し続ける必要がある。どう変わっていくのか。何が変わるのか。
それにどう立ち向かっていけば良いのか。。。

以上の5つが、現在のミッションです。