11月16日に東京 国立能楽堂にて金剛流の公演があります
金剛流ならではの曲をそろえております
能「雪」は金剛流にしか上演していない曲目です
あらすじ
諸国を周り修行をしている僧が天王寺参詣を思い立ち、野田の里(大阪府)までくると、いつのまにか大雪になります
道もわからなくなる程降り積もりますので、僧は雪の降り止むのを待つことにします
降り積もった木陰から、雪景色の詩を口ずさみながら美しい女が現れます…実は女は雪の精であり、自分がなぜここに生まれたのかわかっていません
ただいろいろな思いだけは心をめぐります
女は僧にこの迷いを晴らして欲しいと願います…
以上のようなあらすじです
小書(雪踏拍子)は雪を踏む心で足拍子をして、音をさせず雪が積もっている事を表現します
能「殺生石」は、平安時代に九尾の狐がインドや中国と悪さをして遂に日本へやってきてます
玉藻の前という女性の姿で鳥羽天皇に近寄りますが、正体がばれて返り討ちにあい、那須野高原にて殺生石となり死してもなお通る者の命を奪ってしまいます
玄翁が奥州から京へ上る途中、那須野の原を通りかかります
能力の叫び声に空を見上げると、鳥が大石の上に落ちていきます
不審に思い石に近づいて見ようとすると、その石に近づいてはいけないと云いながら女が現れ、この石は殺生石といって、人はもちろん鳥類畜類も触れると命がないと近づいて来ます
玄翁は女に石の謂われをたずねると、女はこの石は昔、鳥羽の院に仕えた玉藻の前の執心が、石になったのだといい委しく語ります
「この玉藻の前は素性もわからず経歴も全く分からない人でしたが、大変美しく、仏教、儒教や文学、音楽に至まで広い知識を身につけていた。帝の寵愛は深かった。ある時、帝は管弦の御遊を催した。雲行きのあやしげな宵の頃、突然雨とともに風が吹き、御殿の灯火が消えてしまった。その時、玉藻の前の身体から光が放たれ、御殿を照らし出した。
その後帝は病気になった。安部泰成に占わせたところ、これは玉藻の前の仕業で、帝の命をとるために美女に化けてきたのだといい調伏の祈祷をするよう奏上した。
帝の心もすっかり変ってしまった。正体を見破られた玉藻の前はこの那須野に逃れてきたが、この原の露と消えてしまった」
あまりにも委しい話に玄翁が女の素性をたずねると、女は実は私はこの殺生石の石魂であると明かし、石の中に消えます…
というのが前半です