無駄なことばかりを考えて気づけば深い闇の中にいた。
誰も助けてはくれないと彼は思っていた。
なぜ考えてしまうのかとまた考えて深い深い海へと消えていった。
『彼は光を知らない』はずだった。
ここはどこなのだろう、とまた、
だから夜は嫌いだった何もしなくても考えてしまうからだ。良くも悪くも吸い込まれていく。
遠くで鳴る音が彼の耳に届く時波は振動と共に彼を包み込み海底から思いっきり海の上へと引き上げた。
初めて見た。その世界には闇に包まれながらも光があったことに、煌めく粒と大きな丸は眩しいくらいだった。
あぁ僕が考えていることはこの答えなのだと強く思った。
重く沈んでいた体が軽くなった瞬間彼はその中で浮いていた。ただただ流れに身を任せて漂っていた。
綺麗だと思うと同時に流れた涙はきっと誤魔化せているはずだとそう願った。
暗闇にいちゃいけないわけではない暗い場所にいなければ気づけないことがある。それに気づけた時彼はまた光になれるのだ。