20年前、胆管癌で生まれて初めての入院、1ヶ月間の絶食を経て7時間の手術、目が覚めた時は別世界、一般病棟に移されて約2ヶ月間のリハビリー、人生でこんなにゆっくりした時間を過ごしたことはなかったとの思いが頭をよぎる。

 入院中は院内で患者や見舞客の雑音が耳に入る内容は医師の評判、術後の経過などの耳学問、当事者ながら感心して聞いていたものだ。因みに胆管癌は手術の成功率低く成功した場合でも余命5年だとか臆面もなく語っていた。

 そもそも発症の原因は暴飲からきていることは承知で俎板の鯉の心境でした。手術の前日家族を交えて執刀医から図面をもとに手術の説明があり、切除する部分の選択と承諾書の署名を求められた。躊躇いなく大きめに切除することを認め病室に戻った。

 手術直前には体温が40度を前後になることもあり空腹感と共に辛かった。

経過は順調、長い廊下を往復することがリハビリーと思い歩いているうちに話しかける同病で言葉を交わす友達もでき面白い空間であった、その同病の一人が後年亡くなたことを聞き驚いた丁度5年目でした。

 81歳になった今思うに頂いた命をいかに過ごそうかと、趣味の無いことを悔やんでいるところです。