以前Twitterでも話題にしたが、日本には携帯業界がひしめき合っている中で、技術が統一されていないということを疑問に思ったため実際に調べてみたので、結果を報告する。

まず日本にはドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクという企業があるが、ドコモとソフトバンクはW-CDMAという無線アクセス方式、それに対してauはCDMA2000 1xという方式をとっているようだ。iモードを立ち上げた元ドコモ執行役員の夏野剛氏がソフトバンクは批判せずに、auのみを批判しているのはこのせいだろうか。さてどこが違うかと言うと、W-CDMAはドコモ、ノキア、エリクソンが共同開発した技術で800MHz、2GHzという広い周波数域を利用している。主にヨーロッパで使われていて、基地局間の同期が不要である。それに対して、CDMA2000 1xはアメリカのクアルコムという企業が開発し、800MHzのみを使ってデータの送受信をしている(ただし、総務省による周波数再編のため2GHz帯も整備している)。主にアメリカで使われていて、基地局間の同期が必要となる。どちらも大きく纏めればCDMA形式を利用していて、大差は無いように感じるし、利用していても違いがわからないのであるが、W-CDMAは端末の移動に伴なう平均受信電力の変動を最小限にすることで、安定したデータのやりとりができるのに対し、CDMA2000 1xはチャンネルを一つに絞ることにより、より高速な通信ができ、さらに前の世代のcdmaOneとの互換性があるため、インフラ整備が少なくて済むことが挙げられる。どちらも長所短所は存在するのであるが、各技術はそれら不足分を補ってよりよいものとして製品化されるため、どちらが良いとは一概には言えない。

今回調べて分かったことは、日本は携帯電話のガラパゴスとも言われているが、それは日本の技術が他の国よりも高度化、多様化し過ぎたためであり、悲観的になることはないということだ。ただし、日本だけを考えてはこれからの時代、ビジネスにはならないので携帯電話の件だけではないが、ユーザーが求めるものを敏感に把握しなくてはならない。また携帯電話を選ぶときはデザイン、メーカーなどだけで選んでいたが、このように通信方式を考えながら製品を選ぶと面白いかもしれない。上にも述べたが、どちらの技術が良いかは決められないが、これからより高度化する情報化社会でよりよい技術へ改良され、進歩していくのであろう。


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