仙台と山形はどちらも県庁所在地であり、人口は仙台市が約104万人、山形が約25万人となっている。県庁所在地同士が接しているのは、日本では珍しい。両経済圏は200万人(参考:札幌市約190万人)近くになると見られ、一つの大きな経済体として捉えられる。東京に行く観光客は次の日に横浜や埼玉に行くケースも少なくない。規模は違えど、仙台に来た観光客が山形も訪れ、逆に山形に来た観光客が仙台にもよってもらう関係ができると、両市にとってメリットが生まれると考えられる。宮城県には日本三景である松島があるため、仙台と松島をセットで訪れるケースが多いが、これに山形を加えた「観光の弧」を描けるようになると、東北以外強いては国外へのアピールになるのではないかと思う。

そのための具体案としては、上記で挙げたように日本全国に向けた広報活動において、3つの都市をセットでアピールすることが考えられる。そのために行政、民間が協力してブランド力をつけていかなければならない。大阪府知事である橋下徹氏も最近よく口にしているように、これからは都市間競争であるため、国が主導権を握るのではなく、各都市がそれぞれ海外に売り込まなければ、勝ち残れない。国の観光広報を期待するという受動的な姿勢ではなく、自ら動かなくてはならないのだ。

次に、仙山線の複線化が挙げられる。仙台と山形を結ぶ仙山線は、全国でも1つしかない県庁所在地間鉄道路線であり、日本初の交流電化による試験を成し遂げた路線という鉄道マニアにはよく知られたものであるが、なんと単線なのである。そのため、ダイヤはうまく作られ、複線化されているホームで一方の電車が他方の電車を待機しているという状態になっている。そのため、1時間に運行できる本数も制限され、朝、夜は満員になることも多々ある。複線化することでの費用対効果は十分議論しなくてはならないが、観光のための将来への投資だとおもって、JRと行政に力を入れてもらいたい。

他にも案としては考えられるが、これぐらいにする。ベガルタの記事でも書いたが、今年はベガルタ仙台、モンテディオ山形は共にJ1の舞台におり、史上初J1での東北ダービーが開催される。是非とも盛り上がってもらって、両市、両県が注目を浴びるような活躍をしてもらいたい。

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