最近三菱自動車のCMで外国人が、「ニホンノクルマハ‥‥。」と三菱の車を褒めているものがある。しかしこのCMに爪の甘さというか、会社の気質が出てしまっている気がする。

そもそも日本人は誰もがそうであるとは言えないが、心のどこかで西洋文化に対する憧れやロマンを抱く。外国人がしているのだからいい部分は日本も真似しようという気が沸き上がってしまう。ディズニーランドも経営にそれを取り入れられていると言われ、結局日本人には受け入れられてきた。勿論、それのみの恩恵ではないことは確かであるが、他の業種でも西洋に対する日本人の心をくすぐるような企業のアイデアが多い。

恐らく、そこをついて三菱のCMは外国人を全面的に出演させるという様になったと思われるが、三菱は大事なことを忘れているような気がする。高校時代の古典の先生がこんな話をしてくれたことがある。人々に受けるフィクションは現実と嘘とが区別できないぐらいリアル感のあるものだと。これが正しいかはわからないが少なくとも、文学だけではなく、映画、ドラマ等、自分が触れたものはそれが通用している。

もしそれが普遍性を持つのであれば、上記のCMは外国人を起用したまではいいが、外国人が日本語を流暢に話すという、憧れを崩す様な演出はメリットまでも無駄にしてしまっている気がする。しかし、今述べているのは、フィクションに対する仮定における話であるので、この文は無意味なものであり単なる感想に過ぎないことを最後に書いておく。