【コラム】「逆算」が出来ない人たち | 飯島法久の毎日がプロジェクトマネジメント!

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IT業界のプロジェクトは技術の進歩やビジネス要求の変化に伴い、複雑化・複数同時進行型に変化しています。
そんな背景の中、益々プロジェクトマネジメントの重要性が問われるようになりました。弊社はプロジェクトマネジメントに特化したコンサルティング企業です。

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プロジェクト現場からの気づきを、久しぶりにフィードバックします。


昨日、メンバーとこんな会話がありました。




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僕:  
Aさん、デグレ確認用のテストデータ、間に合いそう?


Aさん: 
いえ、問題が発生しまして。
データの制約があるので、テスト観点をデータに合わせて仕様書を修正する必要が出てきました。
それに伴い、関連する全てのケースを見直さなければなりません。


僕: 
え?来週総合環境にリリースなんだけど、何で今更?
お客様とも仕様書レビュー終わってるでしょ。
だいたい、テストデータなんて既に準備出来てると報告受けてたじゃない。


Aさん:
段取りがうまく出来ておらず、申し訳ありません。


Bさん:
いつも調整が遅いんだっつーの!(ボソッ)


他メンバー:
またかよ…(と頭の中でつぶやく)


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分野は違っても、こういった会話は、皆様の会社でもあるのではないでしょうか。


では、どうしてこういう「見込み違い」が発生するのでしょうか?


これが、今日のテーマです。




まず、色々聞いてみると、
彼は逆算が出来ていないことが分かりました。



プロジェクトのスケジュール上、
結合テスト期間は5/25までで、その後総合環境へリリースする予定で3ヶ月以上前から決まっています。



しかも、スケジュールについては、毎週月曜の内部定例で確認してる。

幸い、段取り組み直せばリカバリーがきく内容だったので、スケジュールへの影響はありませんでした。

でも、メンバー全員に迷惑がかかるところでした。




彼自身も、それは理解しているのです。

しかし、期限に間に合わなくなりそうになる。




なぜか?




大きな原因は、以下に要素分解できます。



1. まず、デッドライン管理が出来ていない

期限に間に合わなくなりそうな人は、一律「デッドライン管理」が出来ておりません。

ここで言うデッドライン管理とは、自分のタスクをいつまでに仕上げなければ期限に間に合わなくなるか?を、明確に把握することです。

タスクはプロジェクトの成果物を完成させるために必要な要素をチーム全員で協力しながら作っていくものであり、タスクは自分1人ではなく他のタスクにも当然影響があります

最終的にタスク管理をするのはプロマネの仕事ですが、個々のタスク割り振りを受けた担当者が、タスク影響を考慮し、影響が大きいタスクから順番に優先順位をつけながら対応する意識が重要です。

そのためには、個々がデッドラインを意識して自己管理しないと、課題が生じた際に他のタスクにも大きな影響を与え、プロジェクト全体の進捗に大きなインパクトを及ぼすことを肝に銘じる必要がありますね。



2. タスクを要素分解出来ていない

タスクを完成させるには、いくつかの要素があります。

プロマネの方である程度要素分解してタスクとして渡しますが、その一つのタスクを完成させるのにも、準備や調整が必要となり、課題が生じることがあります。

動き出す前に、それらを要素分解して、課題や制約になりそうなことを洗い出しておく必要があります。

その要素一つ一つを組み立てていくと、デッドラインから逆算して間に合うか?という見込みを算出出来ないと、期限超過の原因になりやすいのです。



3. 問題発見とアクションが遅い

1と2が出来ていないことが根本原因なのですが、問題発見が遅いと対処が後手に回ります。

後手に回った時点で、既にそれは課題化しています。
課題は、自分でも1人では解決出来ない場合が多い。
でも、既に間に合わなくなりそうなことが、感覚的にわかる。

そして、それを報告すべきかどうか、悩んで更に時間が経過する。。

こんな悪循環に陥ったことはありませんか?

そもそも、そうなるのはキチンとタスクのデッドライン管理が出来ていないからです。

また別の視点ですが、プロマネから無茶振りをされた時にも、なぜ間に合わないか?や、1人では解決出来ないので他のメンバーと協力が必要な旨などを、論理的に説明する際に役立ちます。

これらを、「タスクの見える化」と呼びます。
逆に、タスクが見える化してないことを、「属人化」と呼び、組織化を妨げる大きな要因となっています。





期限までに仕事が間に合わないことが多い方は、是非ともこの考え方のプロセスを参考にしてください。


実際にプロマネをされてる方も、成果の上がらないメンバーには、このロジックを共有して改善を試みてくださいね。






本日も最後までお読み頂き、誠に有り難うございました!


皆様との良きご縁に深く感謝申し上げます m - - m



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