青山美智子さんの『いつもの木曜日』を拝読しました。

デビュー作『木曜日にはココアを』の登場人物12人の、本編の前の物語。

マーブル・カフェのマスターのひとりごとを読むと、そこから始まる物語が想像できそうです。



小望月って、知ってるかい。
満月前の月のことだよ。なんだったら満月より、俺はあれが好きでね。もうすぐ満ちるっていう、一歩前のあの感じ。小望月を眺めていると、はちきれんばかりの喜びと誇らしさにあふれているのがわかるんだ。



この本の世界に入っていると、いつもの自分の毎日にも、ひょっとしたら「楽しいこと」や「楽しみなこと」が隠れているんじゃないかと思えたりしてきます。



月は満ちたとたんに少しずつ欠けていき、一度姿を消してまた、少しずつふくらんでいく。同じ日なんて、どこにもない。



同じ日なんてない、そんな中で、「いつもの木曜日」を迎えることができたなら、それはとても素敵なことなんじゃないかな。



ありがとう。
のり