意識が飛んでからの事



『M氏』の体調がどんどん悪くなったのは、アユタヤ観光の午後からだった。






我々はツアーをリタイヤし、ホテルに戻った。


『M氏』は洗面所に入ったきり、20分、30分時おり嘔吐の音が聞こえる。


音が止んだので見に行くと、洗面所の床に仰臥している。


顔色が異常に悪い。


本人持参の正露丸を飲ませるが、それも戻してしまう。


熱がっていたのが突然、寒いとベットにもぐり込む。


尋常な様子ではない。


救急車を呼ぶ事に、なかなか同意しなかったが、二度三度と強く促して了承させる。


フロントに走り、旅行代理店を通じ、救急車の手配、入院の手配を依頼する。


やがて、救急車がホテルに到着し、担架にて運び込む。


入院に必要なパスポート、クレジットカードなどかき集め同乗する。


車内で救急隊員に、英語で状況説明をする。なかなか、上手く伝わらない。


その間、酸素吸入、血圧測定等をしている。


そうこうしてる間に病院に到着する。


緊急治療室に運び込まれる。


治療の間に、問診を受ける。事務方と入院手続き、支払いのはなしをする。


小一時間ほどで、治療が終わり、一般病棟に移される。


点滴を開始する。


一時間ごとに、看護士が状況確認、血圧測定をする。


その都度、何かあれば至急連絡するよう、指示される。


顔色が戻ってきつつある。


点滴が残り一時間の時点で、退院の許可が出る。


治療費の支払いと内服薬の服用方法の注意を受ける。


点滴が終わりを、看護士に告げ、診断書のコピーを依頼する。


清算が済み、診断書を貰い、タクシーでホテルに帰る。




入院から退院まで、五時間の短期集中入院だった。




無事で帰って来られたから言えるけど、なまじっかの、観光旅行より、よっぽどスリリングなドキドキ、ハラハラのジェットコースター・ノンフィクションでした。






結局、病名は?原因は?