ミラノ・コルチナ冬季五輪が盛り上がり、日本勢も大活躍しています。個人的には11日のスキージャンプ混合団体で銅メダルの獲得に貢献した高梨沙羅選手に拍手を送りたいです。4年前の北京五輪でスーツ規定違反で失格になり、一時引退も考えたようです。それ以降、ルール改正などもあり、往年の活躍が嘘のように、ワールドカップの表彰台も遠のいていました。
個人的にはやはり北京に囚われている部分があったのではないと、思います。そこで自分のジャンプを失ったのではないか、といちファンとして見ていました。北京で失格の直後、メディアの前で「すみません」という言葉を振り絞るのがやっとで、その後も引きずっていたのは、容易に想像がつきます。
あれが個人戦ならばもっと容易に受け入れられたかも知れません。しかし、団体戦なので、彼女からすれば当然、「仲間に申し訳ない」との思いが強かったのでしょう。まさしく、大きな十字架を背負うことになりました。その後の成績が振るわなかった大きな要因となっても無理はありません。
今回は女子4人のメンバーに何とか入りましたが、活躍が目覚ましい丸山希選手に主役の座を奪われていました。本人としては団体戦もメンバー入り(女子で2人)するか自信がなかったようです。しかし、団体戦の本番では女子ノーマルヒルで銅メダルを獲得した丸山選手を上回る成績で銅メダル獲得に貢献したのです。
試合後、北京で結果的に迷惑をかけることになった当時の団体メンバーの1人、伊藤有希選手と抱き合って涙していました。オリンピックの借りはオリンピックで、しかも同じ競技でしか返すことができない。それを実践した瞬間でした。言い換えれば、「北京の呪縛」から解かれたのです。
女子ラージヒル競技が正式種目となり、16日(日本時間)に初めて開催されます。今回の団体銅メダルにより、吹っ切れたような表情で直前練習をしているようです。個人的には何か、もう一つメダルを取るような予感がます。北京の忌まわしい壁を越えた天才ジャンパーは、ひょぅとしたら表彰台の一番高い場所にのぼるかも知れません。(F)