この頃海堂尊さんの小説シリーズを本棚から出して読み返すことが多いです。興味がない人はごめんなさい。

 


『医学のたまご』は『ジーンワルツ』と『マドンナヴェルデ』で誕生した双子の一人、中学生になった薫を主人公に書かれています。

が、この『医学のたまご』が3作の中で一番早く書かれました。私は一番先に『ジーンワルツ』を読んだので、とても不思議な感覚です。

 

(以下内容に触れます)

薫はシッターの山咲さんと二人で暮らしています。おせっかいでおしゃべりで美味しいご飯を作ってくれる山咲さんは『マドンナヴェルデ』を読むと産みの母であり、お祖母ちゃんだとわかるのですが、『医学のたまご』の時点では全く触れられていません。

この本は中高生向けに書かれた小説で、横書き、挿絵は絵本作家のヨシタケシンスケさん。

世界的権威の学者である父が作った知能テストで全国一位をとった(父が試しに解かせていたからですが)ために、東城大学医学部に飛び級で入学することになってからの出来事が書かれています。

バチスタシリーズの田口が教授に、高階先生は学長に、また、『ナイチンゲール』の時の小児患者アツシが高校二年生で大学生として登場するなど、中高生向けとはいえ、桜宮サーガが好きな人は読んでおきたい!アツシは眼球の癌に侵され治療法が確立するまで冬眠(コールドスリープ)したのですが、その話はまた別の小説で。

 

物語の後半で、教授が論文の捏造を中学生である薫だけに押し付け、釈明の記者会見をさせるという描写が出てきます。最初は何で自分が、という思いの薫でしたが、自分のしたことの責任を受け止め、皆の前で話をします。

父やアツシの助けを借りて教授を追い詰めていくのですが、研究の指導係が教授を庇って辞職してしまう結果に。


うーん、読みながら日大アメフト部の一連の記者会見を思い浮かべました。

若くても老いても、社会的地位が高くてもそうじゃなくても、やったことの責任は自分が取らなくてはいけないし、それをすることで前に進めるのですよね。


しばらく海堂尊の小説熱が止みそうにありません~!

 

にほんブログ村 地域生活(街) 東京ブログ 東京都情報へ
にほんブログ村