魔法というものがあると知ったのはアニメーションであった
手にしたバトンを呪文と共にふると、あーら不思議
お天気が変わったり、テーブルにご馳走が並んんだりする
鏡を覗き込み呪文を唱えると好きなものにに変身したりする

いいな
いいな
いいな

わたしも魔法使いたいなあ
変身したいなあ

と、魔法使いに憧れていた

すると、なんと
なんと

魔法の鏡が発売されたのだ

やった
が、子供というよりは当時は幼児
高嶺の花である

しかし、天は見捨てなかった

南の方に住んでいるおじさんが遊びにくるというのだ
おじさんはわたしをとてもとても可愛がってくれているからきっと魔法の鏡を買ってくれるはずだ

案の定
すぐに買ってくれた

ワクワクドキドキしながら
こっそり物置きに入る

魔法劇場の始まり始まり

タクマクマヤコンタクマクマヤコン
シンデレラになあれ


ならない



タクマクマヤコンタクマクマヤコン
犬になあれ


ならない


タクマクマヤコンタクマクマヤコン
白雪姫になあれ


ならない


せっかく手に入れた鏡で変身できない事に狼狽したわたしは号泣した
母親が転がるように物置きに来た
一部始終を話した

爆笑された

それから、しばらくは魔法の鏡でシンデレラになりそこなった事が食卓の話題となったのであった




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