はじめてのカップ麺

日本列島は長期のラーメンブーム
専門雑誌もあるし、旨いと評判のお店には行列ができる
スープ、麺、チャーシュー
すべてに拘りと独創性を謳う店もある

究極のラーメンがある反面、手軽に食べられるカップ麺も浸透している
カップ麺をただの一度も食べた事がない人はいないんじゃないかなあ？
お湯だけで作れるカップ麺は災害の非常食としても重宝されている

初めてカップ麺を食べたのはいつだったかなあ
わたしの家には明治生まれの祖母がいたのでインスタント系は無精だと言って缶詰さえ食卓にのぼる事はなかった
だから、家で食べたのではないと思う
学校でクラスの子が新しく発売されたカップ麺の話をしているのが羨ましくてたまらなかった
買い食いは禁止されていたので自分で購入はできない
カップ麺の憧れは募るばかりだった

カップ麺解禁日は意外な事で叶った
親戚のお兄さんがドライブに連れて行ってくれたのだ
なんでも、食べたい物を言って
と、言われたのでカップ麺を所望した
当時はお湯が出る自動販売機があり、フォークも付いていてどこでも食する事ができた
随分安上がりになったとお兄さんは笑い、家族には呆れられた
初めてのカップ麺はわたしには誇らしく、ちょっぴり大人びたようで都会的な味がした
今の子に話しても失笑されるに違いない

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