日直だった日、放課後に黒板を消していた。

いつも一緒に帰っている友達がピアノ教室があるからと先に帰った。

1人で学級日誌を書いて、職員室に持って行った。



職員室から玄関まで歩いている間、とても静かだった。学校は静まりかえっていた。

低、中学年は下校し、高学年は授業中だったんだろう。



玄関までくると、メダカの水槽が低い音をたてていた。

その横に

目安箱

があった。


校長先生に伝えたいことがある人が用紙に書いて入れておけば読んでもらえると聞いたことがあった。


でも、誰も書いてる人を見たことがなかったし、誰かが書いたなんて聞いたこともなかった。



私は近づいて、用紙をとった。


最後の望みをかけて

えんぴつを持った。



メダカの水槽の音が、ジージーと頭の中に響いていた。