母が私を床に放り投げた。
私は尻もちをついた。
見上げると、母はすごい剣幕で捲し上げた。
練習もしないで暗唱できるなら、できるって勝子先生に言いなさいよ!!
できることをやってなんの意味があるの!
私は全身の力が抜けるのを感じた。
母は何もわかってないのだ。
私は教科書のほとんどを暗唱できる。
そんなことも知らない。私のことを分かろうともしない。
私はここでやることはないのだ。
わたしに意味のないことをやらせ続けてきたのは母なのだ。
だけど…
母と兄のために来ているのだ。
いや、母のために来ているのだ。
文句も言わず、ひたすら音読し、短文を作り、暗唱し、兄を待つ。
往復2時間と授業と兄の待ち時間を合わせれば3時間半を毎回無駄にしてきたのだ。
私に意味なんてないよ。
ただ、母に褒められたいだけだよ。
喉の奥で言いたい言葉は詰まった。
私はただ泣いていた。
そして誓った。
2度とここには来ないと。