目が覚めた。
あまりの静けさに目が覚めた。
いつもは娘たちのボディアタックで目覚めるのだが、待てども待てどもボディアタックは来ない。
ぼーっと寝室を出て洗面台の鏡で自分の顔を見ると、そこには魂が抜けかかっている男が立っていた。
魂の抜けかかった男を眺めながら歯を磨く。
静かだ。
いつもはこの電動歯ブラシの音を余裕で超えてくる笑い声が聞こえてこない。
リビングに行きソファーに座る。
殺風景なリビング。
誰もいない。
そうだ。
みんないないんだ。
寂しい。ただただ寂しい。
僕は掃除機を持った。
よし。今日はとことん掃除をしてやろう。
ほいでは。