好きという感情は良いこと、嫌いという感情は悪いことというイメージは、小さい頃から刷り込まれる。

嫌いな食べ物がないと言えば大人は褒めるし、友達を嫌う子は意地悪、悪い子というレッテルを貼られる。


ホントにヤバいのは好きという感情なのに。


熱を上げてた相手に振り向いてもらえなくて凶刃を振るうのは、男女間では珍しいことではない。好きすぎて、もう、理性をコントロールできない状態。

甘い物が好きで羊羹一本を平らげる人が肥満や虫歯で苦しむことはあっても、納豆が嫌いで命を落としたなど聞いたことがない。

コントロールできずに体や物事を壊すのは「好き」の方だ。


じゃあ嫌いになればいいという単純な話でもなく、嫌いという感情が動くのは、好きという思いの裏返しかもしれず。

何の感情も動かない、無関心、無感動でないなら、そこには何らかの関心が息を潜めていて、何かのきっかけで燃え上がることがあるかもしれない。


好きという思いは、加速度的に増す。そのエネルギーが大きすぎて自らのキャパシティを越えてしまうと、自分で動かしていたはずのものに自分が動かされてしまうことになる。

好きは、嫌いよりも恐いのだ。


好きと嫌いのあいだの、少し好き寄り。

そのくらいが、自分が自分でいられるバランス。