わかるひとにはわかるので一応ネタバレ

 ありで‼️

 
  
  昨日聞いたことを今日再び聞いている。



 「だから、香凪さんは俺に興味がないんだ。」

  蓮の言葉にキョーコは思いっきり不審げに

 訊ねる。

 「何故、それを私に話すんでしょうか?」

 「最上さんの誤解を解きたかったんだ。

 俺の恥を一生誰にも話したくなかったし、

 香凪さんの秘密を話すのも心が痛んだが…」

 「だから、どうして私に?たかが事務所の

 後輩の私に話すことではないと思うんですが?」

  キョーコは口調がきつくなった。

  

  蓮は顔を赤らめた。

  「うん…そうだけど////」

  (…えっ?どうしたんですか?敦賀さん。)

  キョーコは驚いて目をぱちぱちさせた。

  「誤解されたくなかった。好きな子に…最上

 さんに…」

  蓮の言葉にキョーコは仰天した。

  「好きって…あの…目の前にいるの誰だか

 分かりますか?」

  キョーコは思わず自身を指差した。

  「勿論。最上キョーコさんだよ。」

  蓮は神々スマイルを浮かべた。

  キョーコはすっかり固まってしまった。

  (…例の彼女って、私!?)

 「驚かせてごめんね。避けられるくらいなら

 それもありだと思って。一方的にごめんね。

  君が俺のことをただの事務所の先輩としか

 思ってないこと知ってるから。」

  苦笑する蓮に思いっきり首を横に振る

 キョーコ。

  「そんなこと…敦賀さんが私のこと…信じら

 れない。」

  「嫌じゃない?その…俺が君を好きでも。」

  心配そうに訊ねる蓮にキョーコは涙を浮か

 べながら答えた。

  「嬉しいです!私も敦賀さんが好きです。」

  「本当?よかった!!」

   蓮はキョーコを抱き締めた。

  「自信がなかったんだ。告白して嫌われ

  たくなくて…ずっと我慢してた。」

  「敦賀さん…」

   じーんとするキョーコに蓮は嬉しそうに

  言った。

  「彼に感謝しないとな。君に『告っちゃ

  いな』と猛烈にプッシュしてくれたんだ。」

  「彼って?」

   キョーコは嫌な予感がした。

  「親友なんだ。鶏の着ぐるみ担当で人の話を

 よく聞かなかったり、乱暴なことを言ったり

 するけどアドバイスはいつも適切で助けられて

 る。君への気持ちも彼のお陰で判ったし、演技

 で行き詰まったときも彼に助けられた。」

  「す…すごいですね…」

  「彼が恋のキューピッドってやつ。今度

 最上さんにも紹介したいなあ。」

  「ぜひ…(…一生会えないと思います!)」


                  End