「お腹すいた~。なんか食べさせて。」
ラブミー部に現れた10歳くらいの少年。
色白で切れ長の大きな目をした美少年だ。
「え///妖精さん?」
キョーコは思わず尋ねた。
「違うよ。俺はJr.だよ。」
「??」
「キョーコ、この子、あの有名な綺麗な
子しかいない音楽事務所の子だわ。」
奏江が教える。
「えっ、そうなの。僕、何でここにいる
のかな?」
キョーコは少年に訊いてみた。
「社長が死んじゃったから俺たちにおいしい
もの作ってくれる人がいないんだ。」
しょげる少年を気遣わしげにキョーコは
みつめた。
「そうだったね。ニュースで見たわ。
でも、何でうちの事務所に来たの?」
キョーコが改めて問い直すと少年が
ドヤ顔になった。
「宝田社長に君は子供の頃の蓮に似てる
から困ったときはラブミー部の京子のところ
いけば何でもしてくれるよって。」
「なっ///」
キョーコは顔を真っ赤にした。
そうだ、この少年は蓮に似ているのだ。
「俺、パスタが食べたい!」
少年は笑顔でお願いしてきた。
「もうっ、社長のバカっ!」
キョーコは文句を言いながら少年のために
パスタを作ったのだった。
End
初稿2019.7.11
*現在は美しい副社長が美味しいものを
食べさせてくれると思います