「最上さん、愛してる。」
蓮の告白にキョーコは驚きながらも
私もですと言ってくれた。
蓮はそっとキスする。慎重に怖がらせな
いように軽く。
まるで、グアムのキョーコのキスのよう
だと苦笑する。
それでも緊張して頬に触れた指が震え
た。
キョーコの手がそんな蓮の指を包み
込んだ。
そして、あろうことか自身の胸に導い
た。
服の上からでも頂が固くなっている
のが判った。
「最上さん…」
「こんな身体でもよかったら抱いて
くださいますか？」
キョーコの思いがけない一言に
蓮の漆黒色の瞳は大きく見開いた。
「最上さん、嬉しいけど、急で…その、
準備がないんだ。ごめんね。」
蓮は申し訳なさそうに答えた。
「やっぱり…！！」
キョーコは掌にグーを作ると、バッグ
から何やら取り出した。
「最上さん？」
蓮は首を傾げた。
「愛の告白して、一線を越えそうになっ
たら敦賀さんが準備がないと逃げようと
するから、これを出して大丈夫ですと言
うんだよとアドバイスを受けました！」
キョーコは嬉々として四角い箱を蓮に
差し出した。
「10箱も！誰から貰ったの？」
蓮は凍り付く。
「えっと、社長さんと松島主任と社さん
と古賀さんと貴島さんと…「判ったから」
蓮はキョーコの言葉を遮った。
皆は近々、蓮がキョーコに告白するのが
判ってて面白がっているのだ。
「最上さん、何に使うか判ってる？」
「さあ。とにかく敦賀さんに必要だ
と。」
キョーコは屈託なく笑っていた。
最愛の人と愛し合いたいのは確かだか、
長い人生をキョーコと歩んでいきたい。
１歩ずつだな。
蓮は神々スマイルを浮かべた。
「もう1回、キスしていい？」
End