「あれ、琴南さんやろ？キョーコちゃん
の親友の。」
ウメの言葉にキヨも頷く。
「佐藤さまで予約してるけど、あんな美人
さんなかなかいませんね。」
「キョーコちゃんと一緒じゃないし、どう
なってるのかねえ。人気女優さんが５連泊
だなんて。」
「私、あのお人苦手です。ちょっと目付き
が怖いというか。」
「確かに機嫌悪そうや。失恋でもしたの
かねえ。」
「やだ、ウメさん。勉強不足や。琴南さん
は男嫌いのクールビューティで売ってる
んですよ。」
「もったいない！あんなきれいな顔に生
まれたら男選び放題なのに。」
「演技派女優さんですからね。私も女優
になりたいなあ。」
「はーん、それで古賀さんの近くにいこ
うなんて思ってるんや。キヨ分かりやす
い。」
「だって、悪いけどキョーコちゃんで
さえ女優になったんですよ。」
「聞き捨てならないね。キョーコちゃん
でさえっどういう意味や？」
ウメはキヨを睨み付けた。
「キョーコちゃんはその…普通じゃない
ですか？」
たじろぎながらもキヨは言った。
「キョーコちゃんは特別や！！」
ウメは叫んだ。
「琴南さん、一人で来てても構わない。
お一人様歓迎や。」
End