大宴会場に酒を出しているときに事件
は起きた。
「姉さん、俺の部屋に来いよ？楽しま
せてやるよ。」
年配の酔客に手を握られたウメはいつも
のように微笑みながら「お客様、お水をお
持ちしますか？」と話しかけたが、酔客は
さらに絡み、あろうことかウメの胸を触っ
た。
「ぎゃあ、なにするんやっ！アホっ！」
「減るもんでもないやろ？」
言いながらウメに抱きつく酔客。
(…我慢や我慢。)
ウメは必死で耐えた。
「止めなさい！！」
上座の男性が一喝した。
「あ、酔っぱらってたようで…」
酔客は、ばつが悪そうに頭をかいた。
「仲居頭さん、申し訳なかったね。」
上座の男性が謝った。
「いえ…」
宴会終了後、上座の男性は改めて
ウメにお詫びして帰って行った。
「すごい立派なお人だったな。誰や
ろ？」
「ウメさん、あの方は市長ですよ。
川井市長。」
キヨは呆れて言った。
「川井？！」
ウメは名前を聞いて身震いした。
「体調悪いから帰るわ。」
「？？」
End
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