「森住さん、ちょっといい?」
社は仁子を呼び止めた。
「あ、社さんどうしたんですか?怖い顔
して。
仁子、京子さんに完敗だから辞退しま
したよぉ。」
明るく微笑む仁子。
「君、何かまたやらかしたよね?」
社は鋭く指摘した。
「ええっ?仁子わかんない。」
「森住さん、約束したよね?一昨年のド
ラマの時、ヒロインの女性が君の嫌がら
せのせいで降板するって言った時に
蓮に約束させられたよね?」
「は…い。」
「蓮が『仁子ちゃんが欲しいものあった
ら買ってあげる。それで許して貰えるか
な?』って言って君は指輪を受け取った
よね?」
「………。」
「キョーコちゃんに何をしたか教えて
貰えるかな?」
「………。」
「俺にも教えてくれる?」
現れたのは蓮だった。
End