「おはよう、最上さん。」
「……おはようございます。」
キョーコは珍しく事務所で蓮に会った。
「親友が大変乗り気で、最上さんによろ
しくって。」
「そうですか…。(うそっ、言ってない
し!)」
「そうそう、グレイトフルパーティの
招待状ありがとう。社さんと行かせても
らうよ。だから、ね!」
ウインクする蓮。
キョーコはかあっと赤くなったがすぐ
かぶりを振った。
「それとこれとは別です!」
「いい企画だと思ったんだけどなあ。
birthdayプラズX'masに素敵なレスト
ランで食事って。」
(…敦賀さんとだったらそう思うけど…
鷄すらこないんですよ。分身の術使え
ないし。一人ぼっちでお食事ですよ?)
キョーコは思わず涙が零れた。
「最上さん!」
蓮は思わずキョーコに駆け寄り、抱き
締めた。
「泣かせるつもりなんてなかった。君が
可愛くて…ごめん。」
「敦賀さん…////」
蓮はキョーコの頬に触れ、指で涙を
拭き取った。
二人は思わず見つめあった。
「コホン、蓮くん、公衆の面前でちょっ
と控えてね////皆さん、ご覧になってる
ので…見えないところで頼むよ。」
社が咳払いしながら控え目に注意し
た。
辺りを見回すとLMEの社員や
所属タレントが興味津々で見ていた。
二人は慌てて離れた。
「キョーコちゃん、打合せいくよ。」
「はいっ、敦賀さん、失礼しました!」
急ぎ足で立ち去る社とキョーコを見な
がら 蓮は残念に思っていた。
(…いい感じだったのに。誰もいなければ
…。)