紅葉役が決まり、事務所に挨拶にいった
キョーコは密かに蓮に会えることを期待し
ていた。
しかし、蓮は自宅に帰っていた。
落胆しながらだるまやに帰り、大将と
女将に紅葉役が決まったことを話した。
「キョーコちゃんはどんどんビッグに
なっていくねえ。嬉しいけどちょっと寂し
いよ。」
女将がしみじみと語った。
「まだまだですよ。」
「仕事もいいけど、恋もしなきゃ。誰かい
いひといないの?」
「いないです////」
「駆け出しにそんなものいらねえ。」
大将が仕込みをしながら口を挟んだ。
「相変わらずだねえ。」
女将は苦笑した。
その時、外で声がした。
「こんにちは。」
キョーコはその声にはっとした。
「準備中なんだけどねえ。」
女将の言葉は耳に入らず、キョーコ
は戸を開けた。
「敦賀さん////」
「こんにちは、最上さん。」
そこには薔薇の花束を抱えたダーク
スーツ姿の蓮が立っていた。
(…すごい、素敵すぎる////)
蓮は少し身を屈めてキョーコに
薔薇の花束を渡した。
「紅葉おめでとう。」
「青い薔薇、22本も!」
感嘆の声をあげるキョーコ。
「こっちは招待状」
「??」
「バレンタインのお返し」
蓮は白い封筒を手渡した。
キョーコは蓮に促されて
封筒を開封した。
「カードキー?」
「うん、俺のマンションの。連絡
なしで何時でも遊びにきて。」
微笑む蓮にキョーコは目が点に
なった。
(…敦賀さんはほとんどいらっしゃら
ないし、お部屋のお掃除も担当ですか
ああああ。)
満足げな蓮とはうらはらにキョーコ
の顔はどんどん青ざめていくのだっ
た。
End
******************
コミックス表紙に触発されて書いてみま
した
![ラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/006.png)
![ラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/006.png)
![ラブ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/006.png)
朝のニュースで薔薇22本は幸運をお祈り
いたしますといってました。108本がプロ
ポーズ。108本を蓮さまに持たせるの
ちょっと可哀想かなと思いまして…。