「私も聞いてもいいですか?」
少し顔を赤らめながらキョーコは聞いた。
可愛い…。
抱き締めたくなる衝動を押さえるため
蓮は腕組みした。
「えと…敦賀さんは森住仁子さんとお付
き合いしてるんですか?」
「え?!」
あまりにも突飛な質問に蓮は驚いた。
「すみません…後輩の分際で…でも森住
さん、敦賀さんからのピンキーリングは
めていたので。」
キョーコの声はたどたどしく、消え入
りそうに小さくなっていった。
「違うっ!!誤解だ。」
蓮は説明しようとしてキョーコを見た
瞬間、はっとした。
キョーコの両頬を涙が伝っていた。
「後で全部説明する!俺は君を愛してる
んだ!」
蓮は衝動的にキョーコを抱き寄せ口づ
けた。
「敦賀さん////」
驚くキョーコに蓮は微笑んだ。
「グアムでも言ったよね?君を愛して
ると。キョーコちゃん。」
「コーンなの?」
キョーコは目を大きく見開いた。
「絵のようなカップルじゃないか。」
キスを繰り返す二人をみつめながら
宝田は嬉しそうに言った。
「社長の陰謀ですか?何も蓮の相手を
最上さんにしなくても。」
椹は不満をあらわにした。
「私ではないぞ。あのふたりは前世から
の縁(えにし)かずいぶん前から好きあっ
てたぞ。椹くん知らなかったのか?鈍い
なあ。」
宝田に言われて椹はカチンときた。
「私は愛の伝導師ではありませんから。
とにかく、蓮には未成年の最上さん相手
ですから自制してもらわないと困ります
ね。」
「それは任せといてくれ。『泥中の蓮』
終了までもつくらいの大人のエチケット
を社に買いにいかせたし、蓮のスケ
ジュールは松島に調整させて即婚約させ
るから安心したまえ。」
「/////違うっ!!」
End