「失礼いたします。」
ウメは竹の間の襖を開けた。
「あ、あの///」
キョーコが気まずそうに浴衣の胸元を
押さえた。
隣の蓮はそ知らぬ顔をしている。
(…こうなるの判ってるから早めに来た
のに敦賀さん10分も待てないのかね。)
微笑みながらも心の中でいらつくウメ。
「いらっしゃいませ。冷蔵庫に水菓子を
お入れしましたのでお召し上がりくださ
いませ。失礼しました。」
丁寧に挨拶して立ち去るウメ。
「ウメさんの挨拶ってさ。」
「え?」
「バスルームに乱入してきたキョーコの
台詞そっくりだね。ベースは仲居言葉なん
だ。ふふ、少しはドキドキしてたんだ
ね?」
「////////」
ウメは汗を拭う。
(どうにか顔に出さないでやりすごせたか
な。あとは好きなくらいどうぞ敦賀さ
ん。)
End