蓮はこんな暗い気分でキョーコに
会うことはできないと、社を通じて尚と
会うことにした。
「敦賀蓮、俺はあんたと話すことは
何ひとつないけど。」
ぶっきらぼうな態度の尚を蓮は睨み
付けた。
「なぜ、あんな状態の彼女にキスした?
放心状態だったよな。」
「………!!あの日あんたも会ったの
か?」
「ああ。お前の後に。」
「そ…か。あんたのお陰か。キョー
コが立ち直ったの。」
「?」
「あいつ、俺を訪ねてきて、よくも
キスしやがったなと足蹴りしやがった。
俺はあいつに泣かれるのが昔から嫌
なんだ!あいつに惚れてるわけじゃねえ
からな!」
「…………。」
「聞いてるのか!惚れてないから
な!」
尚はまくしたてると足早に去って
いった。
尚は知らなかった。蓮が神々スマイル
を浮かべたことを。
End