「蓮さん、もっとキスして…。」

     ベッドで潤んだ目で見つめるキョーコ。

  「キョーコ、足りないの?」

     蓮は尋ねる。

     何度も深いキスをしているが…。

  「足りないわ、もっともっとキスして…」

   「キョーコ!!」



     ジリジリジリジリ。

    目覚まし時計が鳴った。

    蓮は目覚まし時計を止めると、バタっと

ベッドに仰向けに寝転んだ。

    予想通り夢だった。

    「Tragic  Marker」のロケで雪花を演じ

  てくれたキョーコは進級テストとやらで

 日本に帰ってしまった。

     一緒の部屋だったので、不都合?!や

 ドキドキもあり、気が休まらなかったが

いざひとりになると空しい。

   あまりに寂しすぎだ。

   早く、キョーコに会いたいがため自身

 のシーンは猛スピードで終えた。

    2日も早く日本に帰れることになった。

    毎日、夢にまで見ているキョーコ。

    だんだん気持ちが隠せなくなってきた。

    すぐにキョーコに会いたかったが、

    今日は『泥中の蓮』のオーディション

    の日。着いたことだけメールで告げる。

       間違いなく役は勝ち取るだろう。

       彼女が片想いする『志津摩』役。

       演じてみたかったな。

       残念でたまらないが今後、共演の

   機会はある。それまで待つとしよう。



                                                        End

2017.12.12加筆修正