「おはよう。おや?最上さん目が腫れぼっ

たいね。どうしたの?」

     「大丈夫です。元からこういう顔なんで

す。」

    キョーコは思わずつっけんどんに答えてし

まった。

    蓮は少し困ったような顔をし、キョーコの

頬に触れた。

     「今日はビーチにいく予定。特に

泳ぐというわけではないけど、濡れると困る

ので中に水着を着てね。」

     「?はい。」


   
 
     「一時間ほどかかるビーチだから眠って

て構わないから。」

    運転しているのは蓮。海外でも運転出来

るってすごいなとキョーコは思った。

    蓮は今日はサングラス。サングラスごしの

瞳が緑がかってみえるのは陽射しのせい?

     (…もうっ、眠れませんよ!敦賀さんの前

でっ)

   蓮はまるで、キョーコがいないがごとく運

転に集中している。

   キョーコは窓に目をやった。見えるのは、

ビーチ、またビーチ。

   (…どれも名前がついた有名なビーチなんで

しょうね。)

    途中、スコールに遭遇。ほんとにすぐに

止んだ。

   (…すごい!南国って感じだわっ。)

 
  「着いたよ。」

   蓮に言われて車を降りると、そこはあまり

賑わいのない静かなビーチだった。