(…敦賀さん、どういうおつもりですか?)


   グアムに着いてホテルにチエックインし

た。

   キョーコが前回、予定より早く現地入りし

たときに宿泊したホテルのスイートルーム

だった。

   このビーチでコーンと出会った。

    (…敦賀さんはどちらにお泊まりになってた

んでしょう?妖精のDNAを持ってらっしゃる

ので、もしかしてこのホテル?)

   「疲れたよね?少し休んでるといい。部屋

から出ちゃダメだよ。日本人多いから君とバ

レたら大変だ。俺はコンシェルジェと打合せ

してくる。」

   敦賀さんは出掛けてしまった。

   (…バレたらまずいの敦賀さんではっっ)

 ひとり取り残されたキョーコ。

   機内でも、ホテルに入っても蓮からの

LOVE的な接触はなし。

    (…トラジックマーカーの続きでも始まるの

かしら??ワンピなんて着たら恥ずかしいか

も。)

  不安を感じるキョーコだった。


   
    夕食は最上階のレストランの個室で

摂ることになった。
   
    キョーコは持参したワンピースを着用。

  「ワンピース素敵だね。プライベートで見

たのは初めてだね。」

   「ありがとうございます。」

    誉められたのはワンピースだが、キョーコ

は嬉しかった。

   フレンチを楽しんだが、蓮はアルコールを

口にすることはなかった。

   (…私ではアルコールも進まないですか?)

    キョーコには蓮の気持ちがまるで理解

出来なかった。

     
    「明日、早いからもう休もうか?」

  部屋に戻ってくるなり、蓮が言った。

    「は…い。あの…。」  

    「お休み。」

      蓮は挨拶すると寝室に入っていった。
 
       この部屋は2ベッドルーム。

      (…まるで、敦賀さんのマンションにお邪

魔したときと同じだわ。)

      キョーコは無性に悲しくなった。

      私との夜ってなんですかっ??

      思わせぶりも大概にしてくださいっ!

      あーあ、敦賀セラピーして欲しいよぉ。
 
      キョーコは蓮に気付かれないように

   うつ伏せになって泣いた。

     

     
     2017.6.24加筆修正