‐‐‐‐‐‐‐女子たち‐‐‐‐‐‐‐

部長が集まった見学ゲストたちに簡単に主旨を説明してくれて、1バンドめの中川薬局が、自分等でMCをした後、早速曲を開始した。

いつも喋って菓子ばっか食ってた割りには結構ギター上手い。あっ、これ知ってる。スピッツか。

俺がもし女子に生まれたとして、入るとしたらどのバンドかな。「中川薬局」を見ながらぼんやり考えた。薬局は、同調圧力が強そう。

3番目のバンドの「委細面談」は、きっちり譜面みて完コピしそうだから、アドリブ入れたら怒られるかもな。

椎名たちの「3S」、カッコイイから入りたいけど、3ピースでもう完ペキ出来上がってるから、入れてもらうならキーボードか。サワちゃんとは仲良くなれそうだ。

やっぱり、山口やカオリンたちの「SASAMI」がいいや。みんな個性が強くて、面白くって、練習が真面目で。女子だったら、カオリンとたくさん話せる。悩みだって聴いてくれたり、話してくれるかもしれない。一目惚れしたあの日のマックを思い出した。

ハッ。いつの間にか終わってた。急いで、きみしろ仕様に微調整。

「ショー、早く!」

後ろのドアからヒデの呼ぶ声がして、

「お願いします」

先輩に頼んで廊下に出た。ゲン担ぎでズボンのポケットに入れていたギターピックを探ると、今朝渡された母のお手製のフェルトのお守り袋ごと、ない。サイズが丁度いいから入れてたやつ、今朝の練習では確かに有ったのに。
???!
青木の捜索で爆走して落とした?





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