‐‐‐‐‐‐‐連絡‐‐‐‐‐‐‐

「ちょっと待て、とりあえず学校に電話する」

職員室に掛け、出た先生に、ひとまず青木が無事なことを伝えた。

「ヤバイぞ。今、もう少しで警察に連絡するところだったって先生が」

「ごめんなさい…」

きっと必死で追い掛けたんだろう、前髪が汗で額に張り付き、涙目になってる。
俺と違ってめったにやらかさない、優等生だ。自分が起こした「事件」にショックを受けている。マメは無邪気に青木の顎を舐め、おとなしく腕の中におさまっていた。

何はさておき無事だったんだ。
それだけで充分じゃないか。
本当によかった。

絶望で色を失った世界が、少しずつ白黒からカラーに戻っていくようだった。

「大丈夫だよ」

頭を撫でると、マメを抱いたまま、青木の頬を一筋の涙が伝った。

「…怖かったの」

「うん」

「私のせいでマメがいなくなったら、しゅうに…」

しゃくりあげ、嗚咽がもれた。

「よしよし」

肩を抱いた。

「…しゅうの宝ものだから」

宝もの。かけがえのないもの。
俺にとって、青木もそうだ。
またこうして二人でいられることが、奇蹟のように思えた。

「…で、」

「ん?」

「どうしてショーが来てくれたの?」

「好きだから」

「!?」

「青木のことが」

間違いない、心からの言葉。

「好きなんだ」





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