‐‐‐‐‐‐‐引力‐‐‐‐‐‐‐

占い、怖!
12分の1の確率だけど、彼女を見たときに感じる引寄せられる感じを言い当てられて、軽く鳥肌が立った。

「それも、度数ってやつが近いほど引力が強いわけ?」

「そう。あっ、でもホロスコープって、いわゆる大陽星座だけじゃなくて、生まれた時間や月とか金星とか、他の惑星の要素も総合的に見ないといけないの」

どんどん専門的になってきた。

「そこまでは、いいや。母さん、すっごい詳しいじゃん。ちょっとビックリした」

「そう?昔、人付き合いで悩んで、一時期ハマって、ヘソクリで勉強したから」

嬉しそうに微笑んだ。

「好きなら、開業すればいいのに。家でも出来んじゃん」

「翔ちゃんに褒められると嬉しい。がんばってみようかな」

「応援するよ。また何かあったら相談する」

「相性だけで良かったの?何か悩みがあったんじゃない?」

「……、いや、とくに」
しまった、今の「間」はヤバい。

「いつでも話聴くからね。人付き合いは、為るようにしかならないから、あんまり考えすぎないで」

「わかった」
なんか、見透かされてる感。

「情の深い、蠍座さん」

「ウルセーよ(笑)」

「ひとつだけいい?」

「何?」

「うちの3ボーイズで、一番モテるの翔ちゃんなのよ」

「ウソだ。徹兄(次男)のが派手じゃん」

「彼は基本マメだからね。でも最近は落ち着いて来たかな」

「そういえば」
鉢合わせとか、揉め事はめっきり減った。

「翔ちゃんは、女子の母性本能をくすぐるタイプ」

「ハァ?」
守られるより、守りたいんだけど。

「告白するより、される方が多いかもね、きっと。カワイイって言われない?」

「たまに…、言われても、ぶっちゃけ全然嬉しくない」

佐久間みたいな、フェロモンが欲しい。




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