‐‐‐‐‐‐‐整理‐‐‐‐‐‐‐

青木には、気持ちの整理したいって言ったけど、目に見えないモンの整理って、どうやってつけたらいいんだろう。いつまでも引っ張る訳にはいかないから、とりあえずライブを区切りにすると決めたが、そんな短い期間で踏ん切りつくのか。

今日はカオリンに、一度も会うことが出来なかった。

カオリンに…、彼女に会うのがいつも楽しみだった。
怪我で体調が悪い日も、学校に行けば会える、というのが心の支えだった。存在してくれて、軽音に入ってくれて、感謝。

考えたくないけど、いつか誰かの彼女になんのかな。
あの髪に触れて…、クソー、想像もしたくないけど。

青木を好きなのと、カオリンを好きなのは、「好き」の種類が違う気がする。

種類?そんなのあんのか。

付き合うとしたら、青木は直ぐにイメージが湧く。
「お試し」効果で、色々相性がいいことがわかったし、触れたときの、吸い寄せられるような不思議な感覚。試すことなんて出来ないけど、体質的な相性もいいのかも(赤面)。

うわー、下世話な妄想、ゴメン、青木。

カオリンは…、大勢の中に居ても直ぐにわかる。もちろん綺麗だけどそれだけじゃなくて、他の仲間へのさりげない優しさや、ふとした時に見せる淋しげな表情に、惹き付けられる。俺の発達障害みたいな瑕疵なんて無いだろうけど、内に抱える孤独、みたいな何か。

二人になれた時に、ほんの少しだけ心を開いてくれた、悩みを打ち明けてくれた、あんな時間が、もう一度持てたらいいのに。

ダメだ、整理なんかつかねー、つけらんねぇ。

ライブ間近で、声を掛けるタイミングも難しい。このままズルズル日にちが経っていき、グダグダになるのは目に見えている。

バカ。ポンコツ。俺なんかに、青木みたいないい子はやっぱり勿体ない。




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