‐‐‐‐‐‐‐ふたり‐‐‐‐‐‐‐

練習を終えて、出てくる女子の中に青木を見つけた。髪を、いつものポニーテールではなく、高い位置で団子にしてる。

通行人を装ったが、直ぐにバレ、青木が俺を見つけた。胸の辺りで小さく手を振り、「まってて」と言うのが、唇の動きでわかった。

なんか、待ち合わせしてたみたいじゃねーか。

ニコニコして見守る他のバスケ部女子の視線が恥ずかしく、意に反して俺は真っ赤になった。アー、ダサ。ウブなパンク野郎。

つきあってる二人は、こういう場面で周りに徐々に認知されていくのかもしれない。

コクってくれた時の、校門近くで待った。これから何か告白する訳でもないのに、胸がザワザワして、鼓動が速かった。何だ俺、自律神経ヤられたか。

あの時青木は、俺のこと、こんな気持ちで待っててくれたんだろうか。

「ゴメン、お待たせ」

髪がポニーテールに戻ってる。

「わるい、いきなり来て。約束もしてねーのに」

「ううん、一緒に帰りたかったから、テレパシー通じたなって」

「フフ」と小さく笑う。
かーわいいこと言うなぁ、クソー。

「なんか今日、青木のソロ活動、目についたから気になって」

「ソロ活動?ああ、バンドっぽい言い方(笑)」

「もしかして、お試しの影響?」

「ん、鋭い!お察しの通り」

「大丈夫か」

「大丈夫。歩こっか」

門を出て歩き出したタイミングで思わず手を繋ぎそうになった。ヤバ!

俺の動揺に気付かず、青木が話し始めた。



にほんブログ村 小説ブログ 恋愛小説(ラブコメ)へ
にほんブログ村