‐‐‐‐‐‐‐兄貴‐‐‐‐‐‐‐

「ホイ、水」

「サンキュ」

湯船から顔だけ出して、寝てるところを、兄貴に発見された。あっぶね!

「やけに疲労困憊じゃん、大丈夫か?」

「ああ、考えごとしてるつもりが、寝ちまってた。母さんは?」

「もう寝たよ。あんまり遅いから見に行ったら、ヤバいよ、お前」

「うん、気を付ける」

「おー、何か素直じゃん」

「チィ兄ちゃん」

小さい頃の呼び名で、呼んでみる。

「何だよ、ショー」

「俺って、チョロいよな」

「どういう意味で?女?」

「あー、うん、恋愛関係」

「何?スッゴい性悪とか、今日の子」

「違う。すっげーイイ子だった。かわいくて、優しくて…、ちょっと抜けてて」

「いいじゃん。お試し合格?」

「満点。ってか、俺、人をジャッジ出来る立場じゃないし」

「出たな、自虐グセ。お前は自己評価低すぎ」

「似たようなことを、今日の子にも言われた」

「いいと思うよ。その子がキッカケで、そのクセ治るかも。コーヒー飲むか?」

「なんか甘いもんある?」

「母さんのパンケーキがまだある。メープルシロップもあるぞ」

「食べるー、俺のも解凍して」

ダイニングテーブルに移動して、二人で食べ始めた。

「あー、うま。サイコー」

手作りの有り難み。
作ってくれる人がいるって、尊い。なんだか今日は、染みるー。




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