‐‐‐‐‐‐‐帰り道⑩‐‐‐‐‐‐‐

ここで、衝動にまかせて進んでも、収拾つかない。忘れんじゃねーぞ、女子はみんな、フラジャイル(壊れもの)。

「今日一日、一緒に過ごして、俺…」

涙目で、真っ直ぐ見つめてくる。そう、俺が好きなのは、この目。素直で邪気のない、一途な想いをずっと伝えてきてくれたんだ、俺ごときに。

「すごく、動揺してる」

「?」

意味わからんよな。
俺も俺で、わかってない。

「青木がかわいくて、参った。降参」

こんなに気持ちを、持ってかれると思わなかったんだ。完全に俺の負け。

「降参?」

「すっごく気持ちが動いた。青木の色んなとこ見て…、もっともっと知りたくなった」

黙って見つめてくる。

「もっと一緒にいたい。それって多分、好きだってことなんだけど」

胸に顔を埋めてきた。
ちょうどいい身長差←バカ、何考えてんだ、こんなときに!でも、助かる、この方が話しやすい。

「青木と、ちゃんと向き合うために、一旦気持ちの整理したくて」

「知ってるよ」

「何を?」

「ショーが軽音に好きな人がいること。だから、今日は最初で最後かなって」

どこ情報?ヒデ?渡瀬?
あー、やっぱ俺って直ぐ顔に出るから、分かりやすいのか。




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