‐‐‐‐‐‐‐ランチ・横浜⑧‐‐‐‐‐‐‐

目線で俺の頭上を指す。

「お待たせしました♪」
にこやかなスタッフさん。

「美味しそう。私にもひとつお願いします」

「食えるの?」

「無理だったら手伝って」

はぁぁぁ。ピーンと張りつめてたのが、ほどけた。

「食べようかな」

「食べて。のびちゃう」

「いただきます」

どう思っただろうか。目線は感じるけど、顔が、見れない。ひたすらチャーシュー麺を見つめ、食べ続けた。

「ショーって…」

ん?
何なになになに~?変?やっぱり変だよな。
変なんだよ、わかってる。
幻滅させてゴメン。
もともとそんな、大層な見た目じゃないけど、変な奴がやっぱり変だったって、ただ、それだけだけど。
へっ…

「お待たせしました~♪」

「わっ、早!ありがとうございます」

なんでこのタイミングで来んだよ!続きが聞きたいのに。

「よぉし、追い付くよ」
無邪気に笑い、食べ始める青木、3品め。

よく食うなぁ。
美味しそうに、いっぱい食べる子、好きだ。

好・き・だ。

このままでは!

長く一緒にいればいるほど、居心地のよさに、気の置けない可愛さに、俺の拙いカミング・アウトを包み込む大らかさに、このままでは!惚れてしまう。

好きにならない自信がない!

何故だ。

今までひたすらカオリン推しだったのに。
俺ってそんなに、チョロい?いいかげん?

「どうしたの?ショー、アタマ抱えて」

「いや、この麺、美味すぎる…」

「ホントに美味しいね」