‐‐‐‐‐‐‐告白‐‐‐‐‐‐‐

「あとね、謎のルーティーンがあるの。しゅうにしかわからない、決まりごと」

「へぇ」

答えながら、青木の話す内容に、身に覚えが有った。絵本を一ページ読んでは違う遊びを挟んだり、トランプと他のツールを組み合わせた独特のひとり遊び、こだわって、思い通りにならないときの投げ出しかた。寝食を忘れるような猛烈な集中の仕方、逆にスッポ抜けたときの、忘れ物、やらかし…。俺とは少しタイプが違うけど、多分、同じ問題を抱えてる。

「俺、わかる」

「ん?」

「しゅうくんのこと。俺も小さい頃、そうだったから」

青木の大事な弟に、発達障害という言葉は使いたくなかった。

「今日会ったら、話そうと思ってたんだ。俺の変なとこ、色々」

「変なところって」

「落ち着きなくって、じっとしてるの苦手なところ、集中出来なかったり、逆に集中しすぎたり」

青木は、黙って俺を見つめてきた。

「俺もそうだったって、言ったけど、今もそう。自分で調べて、小さい頃に比べて随分自分のことがわかってきたけど、本質は変わらない」

「…」

「ミワちゃーん、マメが逃げた!」

リードを離してしまったらしく、しゅうくんがマメを追いかけていた。

「あっ、大変!」

「俺、行くよ」

臆病なワンコだから、そう遠くには行かないだろう。怖がらせないよう、ゆっくり駆け寄って、腰を落として口笛を吹いたら、トコトコ戻ってきてくれた。

話したことで、ドキドキしていた。
家族にも相談したことは、ない。
自分以外の誰かに話したのは、初めてだ。