‐‐‐‐‐‐‐アップルパイ‐‐‐‐‐‐‐
「またマック、寄ってくか」
ちょうど駅近くまで来たので、コクってくれた日に寄ったマクドナルドに入った。
「何飲む?俺誘ったし、オゴる」
「えー、悪いよー、聞いてもらってるのに」
「いいから」
「じゃあ、アイスティーと、お腹空いたから、アップルパイ食べてもいい?」
「調子いいな、オイ」
遠慮のないワガママが心地よく、かわいかった。
俺も腹へった。
「すみません、アイスティーとアップルパイとコーラと、シャカチキのチェダーチーズ下さい」
二人で2階に上り、
「続きは?」
アップルパイを美味そうに頬張る青木に、シャカチキを振りながら訊いた。
「あっ、ごめん。そう、オラオラ系の束縛は苦手という話。私、LINEもあんまりマメじゃないし、四六時中一緒にいたいわけじゃないから、絶対怒られっぱなし。無理」
そう、付き合ったからって1ユニットになれなんて、無理なんだ。
あーもー、共感しまくり!
打ち過ぎて膝が痛いや。
「そっか、じゃあ断るしかねーな」
「だよね、でもなかなか諦めてくれない。きっと自信があるんだろうな」
「自信がありそうに見えて、そうじゃないかもだ」
「どうして?」
「振られたことを、認めたくないからだろ。これは何かの間違いだ!って」
「そっか…怖い」
「青木に承認されたいんだよ。ダメだったら、自分の価値が下がると思ってる」
「下がる?」
「ホントは、ただ青木のタイプじゃないってだけで、本多の価値は下がんない。でも、執着するってことは、価値は青木が決めると思ってる。プライドは高いけど自分を信じてない。自信がないんだよ」
「…はぁぁ、わかりやすい。槙田センセー」
「なんだそれ」
「ショーって、なんかやっぱりすごいね。もっと色んな話聴きたい」
しまった。何偉そうに語ってんだ俺。
「俺の話なんて、みんな本とかネットの受売りだから」
「でも、ちゃんと聞いてくれて、自分の言葉で話してくれてる。ヤメテ!ますます惚れちゃうじゃん」
青木がニッコリ笑った。
惚れる、というフレーズを聞いて、また顔が熱っつ!
アタマを冷やそう。
ペンギン🐧、暴風雪、氷、つらら…🌊